個人間融資 転職回数12回の男が教える会議術
2つめのポイントは、会議では「事」と「人」を切り分けるということです。これは、「誰が言っているのか」ではなく、「何を言っているのか」で判断する、ということでもあります。とくに日本人は、議論しているはずなのに「事」を語らず「人」で語ってしまうというミスを犯しがちです。
議論というのは1つの目標に向かって意見を出し合うもので、違う意見があるから盛り上がるし、結果として当初の自分の想定よりもずっとよいゴールにたどり着くこともあるわけです。ところが、日本人同士で議論していると、ついついお互いに相手の人格と向き合ってしまって、違う意見の人、自分の意見に反対する人は「敵」になってしまう。
自分と同じ意見かどうかと、相手を嫌いになるかどうかはまったく別の話です。違う意見の人と一緒に高みを目指すのが本来のあり方なのです。
3つめは、会議のメンバーにリラックスしてもらうことです。
多様な意見を引き出したければ、会議の参加者には、「自分の発言をきちんと聞いてもらえる」「意見に合理性があれば、きちんと採用してもらえる」と思ってもらう必要があります。
「そんなのダメだ」と頭ごなしに否定したり、「だいたいお前は……」とすぐに人格攻撃したりする人がいると、メンバーが委縮して発言が制限されてしまいます。そうなると会議の生産性はガタ落ちなので、要注意人物をうまくコントロールする必要があります。
ちょっとピントが外れたおバカな発言も、「そんな考えもあるよね!」とまずは受け入れる。こうした雰囲気からもたらされる参加者の安心感を、グーグルでは「心理的安全性」と呼んで重視しています。「心理的安全性」さえ確保されれば、普段あまり発言しないメンバーの口もだんだんなめらかになって、ポテンシャルを存分に発揮できるはずです。
次に続く。