今回は「個人間融資 使えないサラリーを一流にする」です。
座学で教えるより、現場での失敗が大切
──責任を伴った判断ができる人材は、どうすれば育成できますか。
昔、人の育て方を“昆布漁”にたとえた次のような話をよく社内で耳にしました。
昆布漁に新人が入ると、いきなり船に乗せて、昆布がある沖まで連れていきます。沖に着くと、海の中に突き落とし、海の中でもがいている様子を見ていて、そろそろ限界かな、と思ったら引き揚げる。すると、泳げない新人ほど暴れるので、昆布が巻き付いてきます。これを何回も繰り返しているうちに、やられるほうはたまったものではありませんから、苦しまずに昆布が採れる自分なりの方法を見つけ出します。
一方、このようなやり方は乱暴すぎるということで、最初に座学で、昆布の群生している場所や、潮の流れ、採り方などを教え、次に温水プールで泳ぎ方を教えるなど、十分な準備をしたうえで現場に送り出すやり方もあります。しかし、実際にやってみると、プールと違って海水は冷たくて波もあり、教えられた通りにはなかなか採れません。いったいどちらがいいのか、というたとえ話です。
次の記事に続きます。